常呂漁協について

ごあいさつ

本組合の主力漁業である外海帆立漁業は、明治45年鐺沸(とうふつ)漁業協同組合(本組合の前身)創立以来、豊漁と不漁・禁漁を繰り返して参りましたが、その間の長い経験から、組合員による帆立稚貝の採苗、中間育成技術の研究と適正放流、漁場区画割による漁獲方法(四輪採制)の導入、全組合員による共同経営等により“獲る漁業”から“育てる漁業”へと転換を図り、昭和54年より安定的漁業に成長し、現在に至っております。
この間の歴史は、先人達のたゆまぬ努力によって築き上げられたものであり、私達はその相互扶助の精神を基調として今後の漁業経営を策定して参ります。
漁業環境は国内外で厳しさを増しておりますが、国民の食生活の一翼を担う立場を認識し、協同組合運動の中で漁業者はもとより、豊かな地域社会の建設に邁進していく所存であります。
今後とも皆様のご支援を賜りますようお願い致します。

常呂漁業協同組合
代表理事組合長 吉田 恭

特色

北見市常呂町と佐呂間町の両方に組合員が居住しており、オホーツク海とサロマ湖で漁業を営んでおります。
冬はオホーツク海に流氷が押し寄せ、サロマ湖が結氷するため12月には全ての漁船が陸に上げられ、組合員は漁船の整備や化粧直しをしながら海開けを待ちます。サロマ湖では氷下待ち網漁業をするスノーモービルが走り、一方では氷に穴を開けて魚釣りを楽しむ人が大勢訪れます。

全国に先立ち、オホーツク海での帆立漁業・秋鮭漁業・毛がに篭漁業をそれぞれ権利者全員の共同経営として、乗組員を雇用し、漁船や乗組員の宿舎も共有の財産となっています。統合・共有したことにより経費の大幅削減ができました。利益を持ち分の点数によって配分します。

組合員全員に帆立稚貝の採苗と出荷を義務付けし、毎年5月にオホーツク海に放流します。前浜を畑のように4箇所に区切り、順番に操業と放流を繰り返します。翌年の漁獲量や放流稚貝の数量が予想でき、計画的な操業ができます(四輪採制といいます)。
稚貝放流は帆立漁業にとって重要な作業で、この時期は近隣の農家や市町村からの手伝いやアルバイトの人々で、浜はお祭りのような賑わいになります。

栄浦・浜佐呂間には、漁港近くに増養殖作業保管施設を建設、組合員はこの施設で養殖漁業や他の漁業の作業をします。

サロマ湖には養殖帆立・カキの許容量が設定されています。湧別・佐呂間・北見市常呂の漁協で協議してサロマ湖での養殖数量を決定し、過密にならないよう管理しています。

常呂川は昭和30年代に上流にある工場排水のため死の川と化し、漁民の必死の活動で再びサケの遡上する常呂川を取り戻した経験を持っています。このことから我々の先輩達は水に強い関心を持ち、観察を続けてきました。
現在も常呂川やサロマ湖に流入する河川のパトロールや水質検査を実施しています。又、常呂川上流の汚水処理施設や酪農施設の監視、各ゴルフ場の農薬散布に立会う等、河川の汚濁防止に力を注いでいます。

将来に向けて

組織図

常呂漁業協同組合機構図(令和7年4月1日)

組合の施設

関連施設等

農協・漁協共同給油所昭和37年から常呂町農業協同組合と共同で国道沿いの給油所を経営しています。
常呂町産業振興公社農協・漁協の出資で帆立貝殻の処理工場を運営しています。
処理された貝殻の粉は畑の肥料として農協店舗で販売しています。
水産物堆肥化施設貝殻や砂を含んだ養殖雑物で堆肥を作り地域の農家に利用してもらっています。
自走式上架施設漁船の修理や冬期間の上架、下架のための施設。タイヤが付いているので漁船を抱きかかえるように吊ったまま目的の場所へ移動できます。
山林サケ・マス孵化場の湧水量が減少したため、常呂から約80km上流の土地を購入して植林したのを始めとし、常呂川沿いに山林を持ち、山の保水力・川や海の浄化能力回復を目指し、川と湖と海を守っています。
又、町内の子供達にも稚魚の放流や植林活動に参加してもらっています。